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批評・コラム

≒JOYは「第3のグループ」を卒業したのか『サマーツインテール』が示す急成長

初週30.8万枚、関東比率66.5%、全国ツアー7都市。5thシングル『サマーツインテール』を軸に、≒JOYの現在地を読み解きます。

≒JOY『サマーツインテール』公式ミュージックビデオの天野香乃愛と市原愛弓

「第3」は、今の規模を表す言葉なのか。

≒JOYは、=LOVE、≠MEに続く「第3のグループ」として2022年に誕生した。公式サイトでは現在もこの説明が使われている。

しかし、5thシングル『サマーツインテール』の売上、販売地域、ライブ、冠番組を並べると、「第3」は結成順を示す呼び名へ変わりつつある。

01

初週30.8万枚
前作の累積売上を1週間で超えた

8月5日発売の5thシングル『サマーツインテール』は、オリコン週間シングルランキングで初登場1位を獲得した。

初週売上は自己最高の30.8万枚。前作『電話番号教えて!』の初週23.1万枚だけでなく、発売後に積み上げた累積27.0万枚も最初の1週間で上回った。

シングル発売年オリコン初週
体育館ディスコ202410.5万枚
初恋シンデレラ20249.8万枚
ブルーハワイレモン202516.3万枚
電話番号教えて!202623.1万枚
サマーツインテール202630.8万枚

3rd以降は16.3万枚、23.1万枚、30.8万枚と伸びた。一度だけ数字が跳ねたのではなく、作品を重ねるたびに購入層が広がっている。

天野香乃愛と市原愛弓をダブルセンターに据えた同曲は、夏の恋を描く明るいアイドルポップだ。極端な路線変更ではなく、≒JOYらしい青春感を保ったまま自己最高を更新したことにも意味がある。

≒JOY『サマーツインテール』公式商品写真のメンバー集合ビジュアル

02

関東中心から全国型へ
近畿の販売比率は22.1%

Billboard JAPANでは初週37万1,043枚でシングル・セールス首位。前作の累計33万952枚を初週で超えた。

SoundScan Japanの実店舗販売データを見ると、成長の中身も変わっている。

関東 86.7% → 66.5% 1stから5th
近畿 約4% → 22.1% 初期作から5th
中部 9.7% 全シングル平均は9.2%

関東で売れなくなったのではない。関東以外の購入者が増えた結果、集中度が下がった。5thの関東66.5%は、2026年発売シングル全体の63.3%に近い。

ランキング順位は発売週の競合にも左右される。販売地域の広がりは、ファン層の中身そのものが全国型へ変化していることを示している。

03

ツアーは7都市へ
最終日はTOYOTA ARENA TOKYO

全国ツアー2026「この夏 全部 全部 僕にください」は、大阪、埼玉、石川、兵庫、宮城に、香川と東京を加えた7都市を巡る。

追加公演は11月28日の香川・レクザムホール 大ホールと、12月25日の東京・TOYOTA ARENA TOKYO。地方ホールを回った先にアリーナ公演を置く構成が、現在のライブ規模を表している。

≒JOYは2025年の全国ツアーで有明アリーナ公演を開催し、2026年3月には日本武道館で4周年コンサートを昼夜2公演実施した。今回の東京公演は突然の大型化ではなく、大規模会場を継続して組める段階に入ったことの表れだ。

≒JOY全国ツアー2026『この夏 全部 全部 僕にください』公式ビジュアル

04

冠番組が単発で終わらず
シーズン2へ進んだ

Huluオリジナル冠番組「フライングジョイ」シーズン2は、沖縄を舞台に9月18日から配信される。シーズン1全8話の再配信も決まった。

配信視聴数は公開されていないため、番組の成績を外部から判断することはできない。それでも、グループ名を冠した企画が単発で終わらず2期目へ進んだ事実は、CDとライブ以外にも「≒JOYを見続ける場所」が育ち始めたことを示す。

05

=LOVE、≠MEと同じ
初週30万枚台へ

グループ2026年の直近シングルオリコン初週
=LOVE劇薬中毒36.0万枚
≠ME愛くださいませ/ここでファーストキッス31.0万枚
≒JOYサマーツインテール30.8万枚

CDの仕様、イベント、応募施策、発売時期は作品ごとに異なる。この3つの数字だけで人気順位を決めることはできない。

それでも、≒JOYが初めて姉妹グループと同じ初週30万枚台へ入ったことは明確だ。現在地を単純な上下で分けるより、=LOVEは広い層への浸透期、≠MEは大規模公演の定着期、≒JOYは急拡大期と捉えた方が実態に近い。

06

次の焦点は
CD以外でどこまで広がれるか

『サマーツインテール』は、オリコン週間合算シングルでも31万637ポイントで1位となった。ただし、CDの初週売上が30.8万枚であることから、現在のポイントはCDが中心とみられる。

CDを購入し、ライブへ足を運ぶ強いファン層は大きくなった。一方、ストリーミング、短尺動画、テレビ出演などを通じ、楽曲単位でファン以外へどこまで届くかには伸びしろがある。

07

「第3」は順番であって
現在地ではない

≒JOYは公式上、今も=LOVE、≠MEに続く「第3のグループ」である。その説明を卒業したわけではない。

しかし、初週30万枚を超え、販売地域を全国へ広げ、ツアーを7都市へ拡大し、冠番組もシーズン2へ進んだ。「第3のグループ」から小規模な後発グループを想像することは、もう難しい。

≒JOYは、姉妹グループに追いついたかだけで評価される段階から、自身の成長を継続できるかを問われる段階へ移った。

『サマーツインテール』は、「第3のグループ」が独立した一つのブランドへ変わる境界線を越えた作品である。